トレンド分析を深める_ファンチャートの作成
更新日:6月23日
初期のデータ分析においてトレンド分析はとても重要です。この記事は、ファンチャートの用途や作成方法を紹介しています。
※2024年3月時点のQlik Sense Businessを利用しています。
<ファンチャートの用途>
トレンド分析に限りませんが、データ分析ではメジャーを「実数」と「比率」の双方で確認することが必要になるケースがよくあります。ファンチャートはある時点を基準として「比率」のトレンドを確認するグラフです。
▼実数のトレンドを確認するグラフ
例えば下記のグラフはコロナの感染者数の週次トレンドを地域別に比較しています。オレンジの線(FFFF)が飛びぬけて多いことが分かりますが、それ以外は数値が小さくトレンドが掴み切れません。
▼ファンチャートで比率のトレンドを確認する
同じデータをファンチャートに変換したものが下のグラフです。27週の数値を「1」としてそれ以降は比率を可視化しています。比率にすることで実数の大小に関係なく比較しやすくなりました。実数が圧倒的に多い「FFFF」よりも「AAAA」の方が増加率は高いことが分かります。また、「EEEE」は49週から50週にかけて急に増加率が高くなっています。
<ファンチャートの作成方法:基本>
ファンチャートは折れ線グラフを基に作成します(折れ線グラフの作成方法はコチラ)。メジャーの数式をファンチャート用に修正することで作成します。チャートの構造は次のとおりです。サンプルデータは下図のようになっています。
▼チャートの種類:折れ線チャート
▼軸1(X軸):週
▼軸2(複線):地域
▼メジャー:増加率①
メジャー「増加率①」のサンプル数式は次のとおりです。
▼増加率① =Sum(感染数) /aggr(nodistinct Sum({<週番号={$(=min(週番号))}>} 感染数),地域) |
週番号の最も小さい値「min(週番号)」を基準に比率を計算しています。変数化することで選択されている値の中で最小値が基準になります。
<ファンチャートの作成方法:応用>
ファンチャートの基準とする時点をシート上で選択し、その基準の前後を含めてファンチャートを表現することもできます。
準備1.変数を作成する 変数アイコンから「v_week」という変数を作成します | 準備2.変数入力ボックスを作成する [カスタムオブジェクト]から[Variable input]をシート上に作成します |
Variable inputのプロパティ設定例 |
※「Variable input」のドロップダウンリストに表示する選択肢は手動で作成しました。
上図の「Dynamic values」の数式で下記のように記載します。シングルコーテーションで括った中に値を記述します。区切りは「|」です。
='W09|W10|W11|W12|W13|W14'
変数の準備ができたらグラフを作成します。
▼チャートの種類:折れ線チャート
▼軸1(X軸):週
▼軸2(複線):地域
▼メジャー:増加率②
メジャー「増加率②」のサンプル数式は次のとおりです。
▼増加率② =Sum(感染数) /aggr(nodistinct Sum({<週={$(v_week)}>} 感染数),地域) |
以上です
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